遺族年金はいくら?共働き夫婦が夫・妻別に知る金額と2028年改正

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遺族年金はいくら?共働き夫婦が夫・妻別に知る金額と2028年改正

「もし自分が死んだら、家族はいくらもらえるんだろう」

共働きで子育てをしていると、ふと気になっても、調べるのは後回しになりがちです。

でも、ここを知らないまま保険に入ると、保障は「多すぎ」か「足りない」のどちらかになりがちです。

実は、会社員や公務員が亡くなったとき、国から遺族にお金が出ます。

これを「遺族年金」といいます。

いわば、国がくれる死亡保険です。

この記事では、共働き家庭で「夫が亡くなった場合」「妻が亡くなった場合」に、それぞれいくら出るのかを整理します。

そのうえで、2028年4月に予定されている改正で何が変わるのかもお伝えします。

ここがわかると、民間の死亡保険でいくら備えればいいかの土台ができます。

遺族年金を正しく把握することで、必要な保障額が下がり、生涯の保険料が数十万〜数百万円変わることも珍しくありません。

保険代理店で11年間、1,000世帯以上のご相談を受けてきた立場から、判断軸をお渡しします。

遺族年金は「国がくれる死亡保険」。これを知らずに保険額は決められない

遺族年金は「国の保障」まず知ることから

ご相談に来られる方の8割ほどが、自分や配偶者が亡くなったときに「遺族年金がいくら出るか」をご存じありません。

加入中の保険の中身も、更新で保険料がいくら上がるかも、知らないまま入っている方がほとんどです。

ゆう
ゆう

私もこの仕事をしていなければ、同じように知らないまま入っていたと思います。

ここを責めるつもりはありません。

ただ、順番が逆だと損をします。

民間の保険は「公的保障で足りない分」を埋めるためのものです。

だから、まず国からいくら出るかを知る。

そのうえで、足りない分だけを保険で買う。

これがこのブログの基本の考え方です。

遺族年金には、大きく2種類あります。

「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」です。

まず遺族年金がいくら出るかを知り、足りない分だけを保険で買う。

遺族年金は2種類。子の有無と働き方で受け取れるものが変わる

遺族年金は2種類 基礎年金と厚生年金

どちらがもらえるかは、亡くなった人の働き方と、子どもの有無で決まります。

順番に見ていきます。

遺族基礎年金=子のいる家庭に出る

遺族基礎年金は、「子のいる配偶者」または「子」に支給されます。

ここでいう「子」とは、18歳になった年度の3月末まで(障害がある場合は20歳未満)の子どもを指します。

金額は決まっていて、2026年度(令和8年度)は基本額が年847,300円です。

これに子どもの数に応じた加算がつきます。

加算は、1人目・2人目が各243,800円、3人目以降が各81,300円です。

子の人数 計算(基本額+加算) 年額
子1人847,300+243,8001,091,100円
子2人847,300+487,6001,334,900円
子3人847,300+568,9001,416,200円

ポイントは2つあります。

子どもがいる間しか出ないこと。

そして、子どもが18歳の年度末を過ぎると止まること。

つまり遺族基礎年金は、「子育て期間限定」の保障です。

遺族厚生年金=会社員・公務員が亡くなると上乗せされる

遺族厚生年金は、厚生年金に入っている人、つまり会社員や公務員が亡くなったときに上乗せされます。

自営業やフリーランス(国民年金だけの人)には、この上乗せはありません。

金額は、亡くなった人が将来受け取るはずだった老齢厚生年金の「報酬比例部分」の4分の3です。

報酬比例部分とは、現役時代の給料に応じて決まる年金のことです。

給料が高く、長く働いていた人ほど、遺族厚生年金も大きくなります。

若くして亡くなっても、一定額はきちんと出ます

ざっくりの目安としては、年収500万円前後の会社員で、遺族厚生年金はおおむね年50万円前後になることが多いです。

実は、加入期間が25年に満たないうちに亡くなっても「25年加入していたもの」とみなして計算する救済があります。

正確な額は給料と加入期間で変わるので、目安として捉えてください。

遺族基礎年金と違い、子どもがいなくても、条件を満たせば受け取れる場合があります。

ただし、その「条件」に男女差があります。

ここが共働き家庭の落とし穴になるので、次で詳しく見ます。

共働きはいくら出る?「夫が亡くなった場合」と「妻が亡くなった場合」

共働きはいくら出る?夫のとき・妻のとき

ここがこの記事の核心です。

同じ共働きでも、亡くなったのが夫か妻かで、出る金額が大きく変わります。

子ども2人の共働き家庭を例に、現行制度で比べてみます。

会社員(年収500万円ほど)が亡くなったと仮定した、概算です。

項目 夫(会社員)が死亡 妻(会社員)が死亡
遺族基礎年金約133万円約133万円
遺族厚生年金約50万円(概算)原則なし
合計(年)約185万円約133万円
月あたり約15万円約11万円

夫が亡くなった場合は、遺族基礎年金に遺族厚生年金が上乗せされます。

一方、妻が亡くなった場合は、遺族厚生年金が出ません。

現行制度では、妻が亡くなって夫が遺族厚生年金を受け取るには、夫が55歳以上であることが条件だからです。

つまり、30代・40代の夫には、原則として出ません。

子どもを通じて受け取れそうにも思えますが、生計を同じくする父(夫)がいる間は子の分も止まるため、世帯としては受け取れないのが実情です。

妻が亡くなったときに、遺された夫の収入を国が補う仕組みは、現行ではほとんどありません。

共働きは「夫の死」と「妻の死」を別々に数える

多くの家庭で、妻の死亡時のほうが公的保障が薄く、その分を民間で補う必要が出てきます。

「夫の保険だけ手厚く、妻は最低限」という設計が多いのは、ここを知らないからです。

なお、夫を亡くした妻が40歳から65歳になるまでの間は、遺族基礎年金が出ない期間に「中高齢寡婦加算」という上乗せ(2026年度で年635,500円)がつく場合があります。

ここでひとつ補っておきます。

妻が亡くなって年金が出ないと聞くと、制度の穴のように感じるかもしれません。

ただこれは、子どもがいなければ、遺された夫は自分の収入で生活を立て直せる、という前提に立っています。

遺された側が一人で生活していけるなら、死亡保障そのものが基本的に不要なケースも多いです。

このブログが死亡保障で「子どもの独立まで」を基本にしているのも、同じ考え方からです。

2028年4月の改正で、共働きはどう変わる

2028年4月の改正 共働きはどう変わる

2025年6月に年金制度の改正法が成立しました。

このうち遺族厚生年金の見直しが、2028年4月から段階的に始まります。

共働き家庭に関係する変更を、3つに絞ってお伝えします。

ひとつ目は、子のいない60歳未満の配偶者について、夫も妻も「原則5年の有期給付」に統一される点です。

これまで子のない夫にあった55歳以上という年齢要件がなくなります。

つまり、妻が亡くなったとき、子のいない夫も5年間は遺族厚生年金を受け取れるようになります。

ケース 現行 2028年4月以降
子のない妻(60歳未満)受給できる(30歳未満は5年)原則5年の有期(段階的に移行)
子のない夫(60歳未満)55歳未満は対象外5年の有期で受給できる
給付額通常どおり5年間は約1.3倍に増額

「5年で打ち切り」は誤解です

「遺族年金が5年で打ち切り」という情報を見かけますが、すべての人が対象ではありません。

子どもがいる間の保障は、これまでどおりです。

また5年の有期給付は金額が約1.3倍に増額され、5年後も障害がある場合や収入が少ない場合には継続して受け取れる仕組みもあります。

単純な打ち切りではありません。

これは、一生涯の保障から、生活を立て直すまでの数年を支える設計への転換です。

子どもがいなければ、その数年を越えれば自分の収入で立て直せることが多い、という前提に立っています。

ふたつ目は、子どもへの加算の見直しです。

2028年の改正では遺族基礎年金の子の加算がさらに引き上げられ、3人目以降も1人目・2人目と同額になる予定です。

子育て世帯にとっては、改善の方向です。

みっつ目は、「死亡時分割」という新しい仕組みです。

亡くなった配偶者の厚生年金の記録を分けて、自分の老後の年金に上乗せできるようになります。

5年で有期化される分を、老後の年金で補う配慮といえます。

なお、先ほどの中高齢寡婦加算も、この改正で段階的に縮小・廃止される予定です。

子育て中の今すぐは、大きく変わりません

子どもがいる間の保障は維持されるためです。

影響が出るのは、主に子どもが独立した後の期間です。

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遺族年金を「引いて」必要保障額を考える

引き算で考える 必要な保障額

ここまでで、国からいくら出るかが見えてきました。

次は、その金額を使って、民間の保険でいくら備えるかを考えます。

考え方はシンプルです。

必要なお金から、すでに用意できているものを引いていきます。

必要な生活費・教育費 遺族年金 団信で消える住宅ローン 配偶者の収入 貯蓄 保険で備える分

私自身、自分の死亡保障はこの引き算で決めました。

まず、住宅ローンは団信に入っているので、自分が死ねば残債はゼロになります。

団信とは、住宅ローンの契約者が亡くなるとローンが完済される保険のことです。

次に、遺族年金で毎月いくら入るかを数えました。

そのうえで、妻の収入と貯蓄を引き、足りない分だけを収入保障保険で用意しました。

ゆう
ゆう

数字を全部覚える必要はありません。「公的保障と団信を引いて、残りだけを保険で買う」。この順番だけ覚えてもらえれば十分です。

逆に言えば、遺族年金を数えずに「とりあえず3,000万円」と入ると、多くの場合は払いすぎになります。

具体的な金額の出し方は、別の記事で手順とシミュレーターを用意しています。

遺族年金についてよくある質問

最後に、ご相談でよく聞かれる点をまとめます。

Q 自営業・フリーランスの場合は?

国民年金だけなので、遺族厚生年金の上乗せはありません。子のいる間の遺族基礎年金のみになります。

会社員世帯より公的保障が薄いので、その分を保険や貯蓄で補う発想が必要です。

Q 共働きでも妻が扶養内パートだったら?

扶養内パートで厚生年金に入っていない場合、妻が亡くなっても遺族厚生年金は出ません。子がいれば遺族基礎年金が夫に出ます。

妻の働き方によって出る年金が変わる点に注意してください。

Q 再婚したらどうなる?

遺族年金を受け取る権利はなくなります。

Q NISAやiDeCoをやっていると、遺族年金は減る?

減りません。遺族年金は資産額では変わらないので、資産形成と遺族年金は別物として考えて大丈夫です。

Q 請求はどこでする?

お住まいの地域の年金事務所や年金相談センターで手続きします。正確な見込み額は「ねんきんネット」や年金事務所で確認できます。

まとめ:まず国からいくら出るかを数え、足りない分だけ保険で買う

遺族年金は、国がくれる死亡保険です。

共働きでは、夫が亡くなった場合と妻が亡くなった場合で、出る金額が変わります。

特に妻の死亡時は遺族厚生年金が出にくく、ここが見落としやすいポイントです。

2028年の改正でこの男女差は縮まりますが、子育て中の保障はこれまでどおり維持されます。

大切なのは、まず国からいくら出るかを数えることです。

そのうえで、足りない分だけを保険で買うことです。

ここを整理するだけで、保険料が月数千円〜1万円、生涯では数十万〜数百万円変わることもあります。

ゆう
ゆう

数字を出すのは少し面倒ですが、一度やれば一生使えます。一緒に、納得できる金額を見つけていきましょう。

ご自身のケースで「いくら出るか・いくら足りないか」を一度整理してみたい方は、無料相談を最終ステップとして使うのも一つの方法です。

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